Friday, August 31, 2012

最後の花  パティ・スミス

 神の恩恵により 私達の野原と温室は花で満ちあふれ
施しの精神と共に 整理し 交換しても よさそうだった
 異なるタイプの思いやりを示す態度として いくつかの花々が摘まれ 
もう片方の手は 決然と 色 形 その花の性格を知覚し 白羽の矢を立てていく
 ロバートが生まれたのは 1946年11月4日月曜日 六人の子供達の三番目
ロングアイランドのフロラルパークで育った 幸せで いたずら好きの少年
何に対し責任を負う必要の無い日々は 普通でない物、美への熱狂に
そっと精巧に 染められてゆく
 

Wednesday, August 29, 2012

To Lindsay


Vachel, the stars are out
dusk has fallen on the Colorado road
a car crawls slowly across the plain
in the dim light the radio blares its jazz
the heartbroken salesman lights another cigarette
In another city 27 years ago
I see your shadow on the wall
you're sitting in your suspenders on the bed
the shadow hand lifts up a Lysol bottle to your head
your shade falls over on the floor


Paris, May 1958


リンゼエに


ヴェーチェル 星が出ている
夕闇は コロラドの 道の上
ゆっくり 平野を 横切る車
薄暗い 光を放つ ラジオから 
鳴り響くのは ジャズ
傷ついた セールスマンが
別のタバコに 火をつける
また別の 27年前
あなたの影を 壁に見た
ズボンつりを つけたあなたは
ベッドに座る
消毒液の ビンを掴んだ 手の影が
頭へと 持ち上がり
床に倒れこむ あなたの影



1958年5月 パリで

Tuesday, August 21, 2012

カディッシュ - ユダヤ教服喪者の祈り

  
 グリニッジビレッジの 日が当たる歩道を 歩きながら 今 あなたのことを 考えるのは変な気分だ。 矯正下着と 眼鏡を付けずに行ったね
 マンハッタンのダウンタウン 澄み切った冬の午後 昨日の夜は一睡もしていない しゃべって
しゃべって カディッシュを声高く読み上げた 盲目のレイ・チャールズが ブルースを叫ぶのを 
レコードから聞いていた
 リズムが重なり - そこに 私の頭の中で 3年が過ぎた あなたの思い出も重なった
- 韻律詩として 最後の 成功を勝ち得た アドネイスを大きな声で読んだんだ - 涙が出た
 私達がどんなに苦しんだか 気づき始めて -
それに 死がいかに 全ての歌唄い達が夢見る救済であるか ヘブライ賛美歌の予言であるか
仏教の本にある答えであるか 私が思い浮かべる - 夜明けの中の - 枯れた葉であるか 考えたんだ
 人生を夢うつつに振り返る あなたのいた時間 - そして 黙示録の中の終末へと加速する私の時間 
 終末 - 花が燃える日 - その後 何が来るのだろう
 自分自身の頭の中を覗いてみると アメリカの都市が 瞬きの中に消えるのを見たような気がする 偉大なる私や 偉大なる中国もだ それとも あなたかも それかお化けロシアだ いや決して存在しなかった ぐちゃぐちゃのベッドかもしれない
まるで 無意識の暗闇の中で 逃げ隠れする 詩のよう 
何も言うことはないよ 何も嘆くことはない 
夢の中にいるということ以外はね 
夢の消滅という罠が 仕掛けられてあるから
署名したんだ それと一緒に 叫んでいるんだ 幻影を売って買って 互いを崇拝しているんだ
 崇拝 - ありとあらゆる神を - そうしたいという 願望? それとも 否応なく? - もちこたえる間 予言に満ちた心象風景 - それ以外に 必要なものは?
 私のことに戻るよ 家を出て 通りを歩き 肩越しに振り向いて 7番街が見えた 
銃眼窓の付いた オフィスビル群が 互いよりも高くなろうと 肩を並べている 雲の下で 一瞬 空ぐらいに高いかと思ったけど それらは 空の下 昔からの青い場所
 それか 大通りを南へ下っていこうか どこへ向かおうか - ローワーイーストサイドに向かって 歩くと - 50年前に あなたが歩いたところだよ 小さな女の子が見えた - ロシア人だな アメリカの有害なトマトを初めて口にしていた - 波止場で何かに怖がっている -
 オーチャード通りで人込みにもまれて みんな 何かに向かっている - ニューアークに向かっているんだとさ 
 向かうべきは キャンディーストア 20世紀最初の自家製ソーダ 奥の部屋の かび臭い茶色の床板の上で 手によって回される 撹乳器とそのアイスクリーム -
 向かっているのは 教育 結婚 神経症の発作 手術 学校で教えること 生徒をしかるのを学ぶこと 夢や - なんなんだ この人生は?
 向かっているのは 窓の中の謎 - マンハッタンの一番高いところで光る明かりに 頭を載せて
偉大な謎は 横たわっている 床の上でも 歩道でさえも横になっているんだ - 強烈な光線の中 動き続けている まるで 私が今 ユダヤ言語の劇場方向に 向かって歩いているように - その後は 貧しい人たちの住む地域だ
あなたも知っていたでしょう? 私も知っているよ 今は大して気にも留めない 
パターソンで育ち あそこを出て 西へ行き ヨーロッパに行った そしてまた ここに戻ってきたのは 不思議だと思う 
 戸口でスペイン人が 泣き言を言っているのが聞こえる 浅黒い肌の 少年達が通りでたむろしている 非常階段は あなたぐらいに年を取っている
 - ああそうだ あなたは もう年を取っていないね それは私と一緒にここに残されたね
私は だいたい 宇宙と同じぐらい年を取っているかな - 宇宙は - きっと私達と一緒に死んでしまうだろうと思っている - 来るべきものを 全て消してしまうぐらいは 備わっている - すでに来たものは 例外なく 永久に消されてしまう -
 いいことだよ!後悔の念を全て断ち切って 場所を空けてやればいい - 放射能の恐怖もなくなり 愛を見失うこともなく 苦痛もなく 最終的には 歯の痛みすらなく 
 それでも その間に来るのは 魂を食べる ライオンだろうな - 子羊も食べる 魂はもちろん
私たちのだ ああ 悲しいよ 荒々しい飢えのために 自らの身を犠牲にして 交換するんだ - 髪の毛や歯とかね - 骨が痛むとうなり声をあげて 頭蓋骨むき出しにし あばら骨が折れ 肌は腐り だまされ脳は頑固になり
あーあ それよりも 酷いだろうな! 私達は去勢されるんだ!あなたは助かるけど 死んだから助かったんだね 死は慈悲の心を持っている あなたは あなたの生きた世紀でお終いになった 神様とお終いになったんだろ 通り道をもらって - あなた自身と最後はお終いになったんだろ ? - 純粋な -真っ暗闇の中にいる あかんぼに戻ったんだ あなたの父親よりも前の 私たちの誰よりも前の - 世界よりも前の -
 そこで 休めるよ 苦しみはもう何もないよ あなたがどんな目にあっていたか知っているから いいことだよ 
もう あなたのための ニューヨークの夏に 広場で咲く 花々はない 楽しみもない ルイスのことを怖がる必要もない 
彼の優しさや 眼鏡にも 触れれないけど
彼の高校時代や 借金 愛 電話におびえる必要もないね
( ? 妊娠するために 共にするベッドもないし)  親戚も 誰かの手も -
 エラノーおばさんもいない - 彼女は あなたよりも前に行ったんだ - 秘密にしていたよね - あなたが彼女を殺したこと - それとも 彼女が自分で死んだんだっけ あなたに傷を残すために - 節々が 痛み続けた心 - でも 死はあなた達二人を殺した - たとえ どんな -
 あなたの母親の記憶もなくなったね 1915年 無声映画を観て 何週間も涙を流した
- 忘れていくんだ 人権を求めるマリー・ドレスラー 不当を感じたんだよね チャップリンが若々しく踊った
 それとも オペラの「ボリス・ゴドノフ」だったかな メトロポリタンオペラ劇場で シャリアピンが悲しみのロシア皇帝の声を響かせたんだろ  - エラノーとマックスと一緒に 立見席から見ていた - 資産家達が 舞台近くの中央に席を取るのも 見たんだよね 白い毛皮 ダイヤモンド
ペンシルバニアを横切る 若き社会党員達のヒッチハイク 黒くふくらんだブルマースカート 写真の中で4人の少女達が 互いの腰に手を回し 笑っている目 とても内気そうだ 処女要塞 1920年
彼女達は皆 年を取った それか死んだかな 今は - 墓の中で伸びる髪 - もしついていたら 夫達も後から来てくれる -
あなたはよくやったよ - 私は来ただろ - ユージン兄さんのほうが先だけど ( 今でも悲しんでいるよ 曲がりにくくなった 彼の残った手のこともあるし これからも悲しみ続けるだろう 癌をくぐり抜けていくにつれて - それか殺されるよ - もう少ししたら きっと - 今に彼は考え始めるんだ -)
 そして あれはきっと 彼らみんなと会った 最後の瞬間だった 自分の目で - あなたのではなく あなたが感じていたことを 私は感じとることができなかった - 口汚く ののしる みにくい裂け目が 開く前 なにがあったの?- あなたに - その用意は出来ていたの?
どこへ行った?暗いところ - そこは - 神の中? そこは輝いている?それとも 無の中?
一度 夢に出てきたことがある 黒い雲の中に浮かぶ 目のよう? 神はせめて あなたといるんでしょう?
 私の記憶の範囲外だ!推測不可能だよ!ただ単に 墓の中で眠る 黄色い頭蓋骨ということだけじゃない 死体に群がる 蛆虫でもない 汚れきった リボンでもないし - しゃれこうべに後光?信じられる? 
 ただ単に 一度だけ 心の中で 太陽が光ったというだけなんだ 存在したのは 瞬きだけだったんだ それ以前に何が 
 私達が 手にしている以上のものはない - あなたは 手にしていたか - 可哀想すぎる - でも勝ったんだよ 
 ここにいたこと 変化したこと まるで木のように 折れてはいるけど それか花 - 土を耕すために 育った - でも怒っているんだ 花びらをつけて 綺麗な色をして 偉大なる宇宙のことを 考えている ふるえて 頭を切られて 葉をもがれ 卵ケース病院に隠れている 布を巻かれて 痛みを感じている 月に狂わされて 全くの無価値ではない
 花と言っても ああいう花じゃないんだ 庭に咲いているだろ ナイフと戦う奴 - 負けるけどね
 馬鹿な雪男が 持ち前の冷酷さで 切り取るんだよ - 春だろうと - お化けの考えることは 全く変だね - いくつか死が欲しいんだな - 尖ったつららが彼の手の中にある 古いバラで作られた 花冠 - 犬一匹が 彼の目になる - おんどりに 過酷労働をさせて - 彼の心は電気アイロンなんだ 
 人生の 蓄積物 全て 私達をくたびれさせる 時計や 体 意識 靴 胸 それは因果の原因  息子達 それはあなたの共産党員  被害妄想 そして病院送り 
 あなたは一度 エラノーおばさんの足を蹴ったよね その後 心臓に欠陥が見つかり 彼女は 死んだんだ 一打撃やってやったね 眠っている? 一年以内にだなんて 二人とも 姉妹で死ぬなんて エラノーおばさんは 幸せそうかい? 
 マックス-悲嘆者-グリエブスは ローワーブロードウェイのオフィスで 生きているよ 一本の幅広口ひげを付けた 真夜中すぎも働く 会計士だ よく知らないけどね - 彼の人生は過ぎて行く - 彼にも見えるとおり - 今更 彼が 何を疑問にするって言うんだ 今でも 金持ちになる 夢を見て その夢がもう 金を作ったかもな 看護婦を雇い 子供達がいた あなたの名声の中でも 彼の名前が 見つかるんだよ ナオミ 
 近いうちに 彼に会うんだ 今は その話はいい - あなたと喋りたいし - ほら あなたの口があったときは しなかったから 
 永遠 私達は もうそこから 追い出された 永遠 - エミリー・ディッキンソンの馬のように - 頭から尻尾まで 
あいつらは やり方を知っているんだよ - あの馬達 - 私達が 考えるよりも ずっと速く走れる - あいつらは 私たちが所有する 人生の上を駆け抜けていくんだ - そして 一緒に連れて行ってしまう 


 すばらしい もう悲しくないな 欠けた心 閉じ込めた気持ち 結婚 夢 運命の変更 - 認識 直面 殺人者に とどめをさされる 
 与えられた世界では 花が狂う ユートピアは作られず 松の木下で 悲しみと共に 撃たれる 地球から施しを頂戴し 孤独に心を慰められる ヤハウェ 唯一神 受け入れる
 匿名で たった一つの顔を持ち 永遠に私の頭上にあり 始まりもなく 終わりもない 死をつかさどる神 とは言っても私はこの予言には 向いていない 結婚もしていないし 賛美歌も歌えない 昂揚感の中では 何も考えられなくなるんだ それを求めているし
 汝よ 天国 死後 何にも無い中で 唯一ありがたいね 光じゃないし 暗闇でもない 一日の無い永遠 -
 これを持って行くんだ この聖詩 私からだから ある日 私の手の中で一杯になり こぼれ落ちそうになったんだ 今 私の時間の一部が何でも無いものに捧げられているんだ - あなたを祝福すること - 死んでいるけど
 ここで終わりだよ 荒地から救い出される 疑問を抱え続ける人たちのための道 全ての探索者達が休める家 黒いハンカチーフが 涙で洗われている 賛美歌の上のページ 私とナオミに訪れる 最後の変化 - 神の完全なる 暗闇に向けて - 死 幽霊達よ 汝らがいる場所から 動くんじゃない   
 

Ⅱ 

 また そして また - 繰り返される - 病院の - まだ あなたの歴史を書いていなかった - 曖昧にしておこうか - 2、3のイメージだけで
 頭をよぎる - まるで家の中で 何年にもわたって響く サクソフォーンのコーラスみたいに -電気ショックのことを覚えている 
 パターソンのアパートメントで 子供にとっては長い夜だった あなたが神経過敏になっているのを見ていた - あなたは太っていたよ - あなたが次に何をするか -
 学校を休んで 家にいて あなたの世話をした 午後だった - 一度 それでもう二度としないと誓った - 一度 ある男が 宇宙に対する 私の意見に対して 意義を唱えた時にも こういう論争は二度としないと誓ったんだ 論争には負けてしまうし -
 苦しんだあとだった - 人類を啓発しようと誓った - これは 解放であるしね 特に変わった人々にとっては - ( あなたぐらいに 気がふれた ) - ( 穏健な 調和を得るこつ ) 

 だけどあなたは窓から ブロードウェイ教会の角をにらみつけ ニューアークからやってくる 謎の暗殺者を 警戒していたからさ
 医者に電話すると 「少し 休みをとりなさい」 - だから私はコートを着て あなたと一緒に通りに出た - 途中 男子中学生がわけのわからないことを叫んだ - 「お前どこ行くんだよ その人殺しにいくの?」 私は肩をすくめた -
 あなたは ダウンタウンに流れ込む 毒ガスに対抗するガスマスクとして 古く使い込んだ 毛皮の襟で鼻を隠していた おばあちゃんが撒き散らしたんだよね -
 チーズの箱みたいな公共バスの運転手は ギャングのメンバーだったっけ?あなたは彼の顔を見ると震え上がり バスに乗せることが出来なかった - ニューヨークに行きたかったけど タイムズスクエアなんて 別のグレイハウンドバスに乗ろうか -
 そこで 目に見えない虫や ユダヤ人の病気と戦いながら 2時間ぐらい過ごしたね  - 風には ルーズベルト大統領が毒を入れてあるから -
あなたを連れ出そうとしたんだ - 私はあなたの言うことに従っただけなんだ 湖の近く ビクトリア朝の家にある静かな部屋にでもいれば 収まるかと思ったんだ
 トンネルやアメリカの工場たち全てを通り過ぎて 3時間は乗っていた ベイヨン街は第二次世界大戦に向けて準備していた オイルタンク ガス工場 ソーダ工場 安食堂 機関車修理工場 要塞 - それらがニュージャージーインディアン達の松林へと 向かっていた - 静かな街 - 長い道が ざらついた木々の広がる土地を横切っている 

  鹿のいない小川にかかる橋 インディアン達の金が流れにのせられているんだ - もっと下流にあるトマホークの斧に届くよう それでなければ ポカホンタスの骨へ -
 何万もの年老いた女性達が 小さな茶色い家に住む ルーズベルトに投票している 狂ったハイウェイを降りて行く -
 多分 木に止まった鷹かな いや 隠者がフクロウのとまる枝を探している -
 ずっと言い争っていた - 前の席に座る 知らない人を怖がっていたから 関係ないとばかりに いびきをかいていた - 今じゃ いびきをかけれるような バスなんてあるのかな?
 「アレン あなたは分かってないのよ - あの - 背中に 3本の太い棒を 突き刺されて以来 - あいつら病院で私に何かしたのよ 毒を飲ませたの 私が死ぬところをみようと - 3本の太い棒 3本の太い棒 -
 「くそ女!ばばあ!先週もあいつを見たんだ じじいみたいなズボンを履いて 袋を背中に担いで アパートメントの壁をよじのぼろうとしていたんだ 
 「非常階段の上に 毒のネバネバ 私に投げつけるため - 夜になると - もしかしたら ルイスが助けてくれるかもしれないと思った 彼は彼女に圧倒されていたけど
 「私は あなたの母親よ レイクウッドに連れて行って」 ( ツェッペリン気球船が 以前 墜落した場所の近く 全てのヒットラーは爆発している ) 
 「どこか私が隠れれるところ」
 私達が着いたのは - ドクターワトジスの別荘 - 彼女は早速 クローゼットの奥に隠れた - 輸血が必要だと訴えていた 
 私達は追い出された - 旅行かばんを手に 影の落ちた芝生の上に立つ 見知らぬ家に向かっていた - 夕闇の中 松の木々 その下に広がっていく暗闇 - コオロギと ツタウルシで密集する 死んでしまったような 長い道を歩いた -
 あなたを 静かにさせたかった - 大きな家だった 保養所 部屋あり - 大家のおばさんに 一週間分の金を渡して - 鉄製の旅行かばんを運び込んだ - 部屋のベッドに腰掛けて 逃げ出したかった -
 きちんとした屋根裏部屋だったよ 親しげな ベッドカバーがかかっていて - レースのカーテンもあった - 機織で織られた絨毯 - しみの付いた壁紙は ナオミぐらいに古かった 家にいるような気分だった
 ニューヨークに戻る次のバスに乗った 最後尾の席に頭を乗せて 落ち込んでいた - もっと酷くなるのだろうか? - 彼女を置いてきぼりにした あまり感じないようにした - 私はたったの12歳だったんだ 

 彼女は部屋に隠れて 朝ごはんになると元気に出て行くのかな? それとも部屋に鍵をかけ 道に潜むスパイ達を 窓からにらみつけているだろうか? 鍵穴に耳をつけ ヒットラー崇拝者らの目には見えないガスの音を聞こうとしているだろうか? 椅子に座って 夢を見ているだけなのかもしれない - それか私のことを からかおうとして - 鏡の前で 一人で?
 ニュージャージーを通り抜ける 夜間バスを12も乗り継ぎ レイクウッドの幽霊屋敷に ナオミを宿命の中に残してきた - 私自身の宿命のバスに乗り - バスの席に沈み込んだ - バイオリンが全て壊れているのに音を出しているような気分だった - 肋骨の中で私の胸が痛むんだ - 頭の中は空っぽだったよ - 彼女は棺おけの中のほうが 安心するんじゃないか -
 ニューアークの普通の学校に行ったんだろ 黒いスカートを履き アメリカのことを勉強して - 通りに冬がやってきたとき お弁当が無くなった 1ペニーのピクルス一つだけになった - 夜になると家で エラノーおばさんの面倒を見て 寝かしつけて -
 最初に神経症の発作が起こったのは 1919年 - 学校を休んで 3週間 暗い部屋で休んでいた - 何か悪いことが - 決して 何が原因だったか言わなかった - 小さな物音に痛めつけれ - ウォールストリートがきしむ音を聞いたんだ -
 ものが灰色に見えるようになる鬱が始まる前 - ニューヨークに行った - 回復していた - ルーが撮った彼女の写真がある 芝生の上に足を横にして座ってた 長い髪が花と一緒に 風に
吹かれている - にっこりと笑っている - マンダリンで子守唄を弾くこともできた - つたうるしを焼いた 毒ケムリが 左翼のサマーキャンプにまかれ 私は喋ることが出来ないぐらいの 小さな子供 木々を見ていた -
 それなら 学校で教えていた頃の話をするよ 間抜け達と一緒に笑った 発達障害クラス - 彼女のロシア特派員 - 夢見るような口をした 低脳 すばらしい目 細い足 うんざりする指 骨が曲がっていた くる病 -
 素晴らしい頭たちが アリスの不思議な国の上にぶら下がっているんだ たくさんの猫が 黒板に描かれている 
 ナオミは辛抱強く 共産主義の産物のような お伽話を読んでいる - 突然 支配者により与えられる 甘い話 - 魔法使いの恩赦 - 軍隊の宣誓 -
 緑色のテーブルを取り囲む されこうべ - 王と労働者達 - パターソン印刷は30年代まで それらを印刷し続けた 彼女が怒り狂うまで いや 彼らが商売をやめるまでだったかも 両方だよ きっと
 ああ パターソン! 家に着いたのは夜も遅くなってからだった ルイスは心配していた 私は何でそんなにも - 考えもしなかったのかな? 私は彼女を残してくるべきではなかった 狂ったままレイクウッドに 医者に電話した 松の木下の家にも電話した 遅すぎた 
 くたくたに疲れきりベッドに向かった 世界から逃げ出したかった
(その年 私はRに恋をしはじめていた - 私の高校時代の 心のヒーロー 後々医者になったユダヤ人の少年 物静かで すてきな子供だった -
その後 私は彼のために人生を投げ打ったんだ マンハッタンに引っ越して 大学も一緒にした - フェリーの上で もし大学に入れたら 人類を助けるよう努めますと祈ったんだ - 誓ったんだよ その日は入学試験に向かっているところだった -
 正直で 革命的で労働者のために働く弁護士になると - そのための教育を受けに行ったんだ
- サッコとヴァンゼッティ(冤罪で処刑されたアナキスト)、ノーマン・トマス(社会主義者)、デブス(労働組合組織者)、オルトゲルド(児童労働法などの労働問題解決に努めた)、サンドバーグ(詩人)、ポー(詩人)-リトルブルーブックス (階級の垣根なく平等に自由な知識の普及のために出版されていた本) それらに影響され 刺激されていた - 私は大統領になりたかったんだ それか上院議員に
 無知ゆえの悲哀 - 後に 1941年の私の愛 愛を打ち明けられ ショックを受けているRの膝下にひざまずく  - 彼は 私に とても優しくしてくれていたんだ - 私は 彼のことが欲しかったのと あきらめていたのと 両方だった - 初めての恋だったんだ - 失恋 
 激しい雪崩が過ぎた後、ホモセクシュアリティの山々がそびえ立っていた。マタホーンズのペニス達 ケツの穴グランドキャニオン - 憂鬱な頭の重さを感じていた - 
 その間も 跳ね上がる空間を持たない ゴムボールのように ブロードウェイ通りを歩き続け、永遠について想像していた - 外にあるものは何だろう? - グラハム通りの家に戻ってきてもそうだった 陰鬱に 映画を見た後 夢うつつに 通りを挟んだ緑の垣根の横を歩き続けた )
 電話がかかってきたのは、夜中の2時だった - 非常事態 -彼女が発狂している - ナオミはベッドの下に隠れて、ムッソリーニの虫が何匹もいると叫んでいた - 助けて!ルイス!シスター!極右翼!死ぬ!- 大家のおばさんはおびえ - 年取った受付のホモは彼女に 向かって叫び返しているんだぜ - 恐怖 - それが建物の住人達の眠りを覚ました - 更年期障害から回復しつつある2階の年取った女性 - 股の間の全ての生理ナプキン 清潔なシーツ 赤んぼを亡くした苦しみ - 夫の灰 - エール大学で冷笑を浮かべ ニューヨーク大学で髪にオイルをつける子供達 - それともユージンみたいに 震えながら モントクレアのカレッジで先生になるための勉強をしているかもな - 
 彼女の大きな足は 胸元まで折り曲げられ 人を寄せ付けまいと 手を外に突き出していた
ウールのワンピースがめくりあがり、毛皮のコートは ベッドの下に引きずり込まれていた - ベッドのバネの下に スーツケースで作ったバリケード 
 パジャマを着た ルイスは電話を聞いていた おびえていた - 何ができる?誰に分かった?- 私の責任だ 彼女を隔絶したかったのか? - 暗い部屋のソファに座っていたんだろう 震えて 理解しようとしていたんだろう -
 朝の電車に乗って、彼はレイクウッドへ向かった ナオミはまだベッドの下にいた - そして彼が毒警察を連れて来たと思った - ナオミは叫んだ - ルイス それ以来 あんたの心に何が起こったんだろうな? ナオミの高揚があんたを殺しちまったのかい?
 彼女を引きずり出し 角で タクシーをひろい 旅行用かばんと一緒に車内に押し込め だけど運転手は 二人を薬屋で降ろしたんだ バス停留所で 2時間待った
 私は落ち着かないまま ベッドに横になっていた 4つ部屋のあるアパートメント 居間にある大きなベッド ルイスの机の横 - 体が震えた - 夜 彼が家に帰ってきた 何が起こったか話してくれた 
 ナオミは処方箋カウンターで 敵から自分の身を守っていた - 子供達のための絵本が入った棚 ぼんくらども 鎮痛剤 鉢植え 血 - 「私に近寄らないで - 殺し屋!離れろ!殺さないと約束して!」
 ルイスはソーダ売り場で恐怖を感じていた - レイクウッドのガールスカウト達がそばにいた - コカ・コーラ中毒 - 看護婦達 - バスの乗客達 時刻によって入れ替わる - 管区内の警察 くそっ - 牧師は 崖に作られた古代の家にいる豚たちの夢でも見てたのか?
 空気の匂いをかいだ - ルイスは虚無感のことを言ってた? - 客がコカ・コーラを吐いた - じろじろ見ていた - ルイスをあざけ笑っていた - ナオミの勝利だ - まさか陰謀を発表するなんて - バスが着いたけど、運転手はニューヨークまで彼らを連れて行くのを拒否した 
 ドクターワトジスに電話すると 「彼女は休む必要がある」と言われた 精神病院 - グレイストーン国立病院の医者 - 「彼女を連れてきなさい、ギンズバーグさん」 
 ナオミ ナオミ - 汗だくで 目を丸くさせ 太っている ワンピースの片側のボタンがはずれ 眉の上に落ちた髪 ストッキングが嫌がらせのように足に絡まり 血流が とめられていると叫んでいる - 正義を訴える 片方の手は上げられ 靴がその中に入っている - 薬屋で裸足なんてね -  敵が近づいてきた - どんな毒?録音機?FBI?ジダーノフがカウンターの後ろに隠れているのね?トロスキーがネズミばい菌を店の後ろでかき混ぜているわ?アンクルサムはニューアークにいるのね?クロンボ達が住むところに毒香水をまく計画建てているんでしょ?エフレイムおじさんは 政治家の集まるバーで 殺人犯と一緒になって酔っ払ってるのよ ハーグで陰謀が企てられているの?ローズおばさんは スペイン内戦で 水の入った注射器をくばった?
 レッドバンクから 35ドルで 救急車を雇うまで続いた - 彼女は 腕をつかまれ ストレッチャーに縛り付けられた うめき声 毒を飲まされたと思い ニュージャージー中に 化学物質のゲロを吐いた エセックス郡からモリス町にいたるまで お許しくださいと懇願していた 
 そしてグレイストーンに戻っていった 3年間 彼女が横たわっていた場所 - あれ以来 物事は前に進まなかったよ きちがい病院に彼女をまた運んだんだ - どの階だったろう - その後、何度もあそこを歩いた - 強硬症患者の年取った女性達 雲のように 壁みたいに 灰色だった 床に座って ささやいている 椅子の上でも しわくちゃの 気味が悪い魔女達 責めたてられている - 13歳の私に許して頂戴と頼んでいる -
 「家に連れて行って」 - 時々 私は いなくなったナオミを探して 一人で訪ねていった ナオミはショック療法を受けていた - そして私は言うんだ 「駄目だよ、あなたは おかしくなったんだよ ママ、お医者さんの言うことを聞かなくちゃ」 - 
 
 ユージン 私の兄 彼女の年上の息子 ニューアークで家具つきの部屋を間借りして 法律の勉強をしていた -
 次の日 パターソンに戻ってきた - 居間の壊れたソファに腰を降ろした - 「グレイストーンに 彼女を 送り返さなくてはいけなかったんだ」
 途方にくれた彼の顔 とても若いんだ 目は涙にぬれていた そして ゆっくりと泣き始めた - 「なんでだよ?」 彼の声は 頬骨の中で 悲しみに震えていた 目が閉じられ 声がうわずっていた - 彼が痛みつけられているのが見えた 
 彼は遠くにいたんだ ニューアーク図書館のエレベーターで逃げたんだ 毎日 窓の下に置く 牛乳瓶で 週5ドルの家具つき部屋を 牛乳瓶の手押し車が停まる ダウンタウンに借りて
 一日8時間働いていたんだ それで週20ドル稼いだ - 法科大学に通っている間 ずっと - 黒人の売春婦達が集まるところから 潔白に距離を置き 
 寝たこともなかった 哀れな童貞 - 理想と政治について 詩を書き パットリックイブニング新聞の編集者宛に送っていた -( 私達二人とも書いた 上院議員ボラーと彼の周りの鎖国主義者達を非難して - そして パターソン市役所に疑惑を抱き 
 私は一度あそこに忍び込んだことがある - その土地の いけにえの塔 尖塔は男根を模られてある 飾り書体の大文字で書かれた 意味不明の怪奇詩 マーケット通りに立ちそびえていた
 フランスのリヨンにある 市庁舎をそのまま真似て 建物の両翼部分 バルコニー 渦巻き模様 通りの巨大な時計 クェーカー教徒迫害に 魔女裁判判事のおじさん 近親相姦叔母さんたち 家族のスキャンダルを抱え込んだ 小説家ホーソーンが ぎゅうぎゅうづめになっている 秘密の地図部屋 - 市議税からの闇口座 - レンブラントが薄暗がりの中で煙草を吸っている - 
 議員会室の中にある 磨き上げられた 沈黙の机 - 市会議委員達?市議経理?モスカのシナリオ - やくざとのつながり ジョンに命令されたんだ たわごと - 狂った男が 家の境界線のことで 悩んでいて 警察と 裏事情 - 皆 死んでいる - バス停留所で降りた ユージンは 
自分の子供時代を 見ていた - 
 そこで 30年以上も 福音伝道者が狂ったように 説教を続けていた 硬い髪  聖書に屈服され 忠実であろうとしていた - チョークで 汝の神に 道端でばったりと 会う用意をせよ と書いてある - 
 他には こんなのも 神は コンクリートの上にひかれた線路の 愛である - 彼は 私がぜひそうしてみたいように わめき散らしている 孤独な福音伝道者 - 市役所に死をもたらす )
 ユージンがもっと若かったとき 彼は モントクレアーの教員学校に4年いた - 半年だけ教えて 辞め 方向転換した - 規律を守らせることが 出来なかったんだ - 浅黒い肌の イタリア人の生徒 身持ちの悪い女子生徒が 横たわり 英語をしゃべれず 14行詩には無関心 - 彼は 色んなことを知らなかったんだ - それで彼の負け - 彼の人生は 真っ二つに裂け 法律へと情熱を傾けた - 分厚い青い本を読み ニューアークにある太古のエレベーターに乗り 13マイルを進んだ 未来のために 一生懸命 勉強していた 
 失敗と書かれた戸口で ナオミの叫び声が 一番最後に こだました時 ナオミはもういなくなっていた 私達は孤独で - 家で - 彼もそこに座っていた 
 チキンスープを飲みなよ ユージン 市役所の前で 福音男が叫んでいるだろ そしてその年 ルイスは郊外の中年男らしい詩的な恋をしていた - 秘密に - 1937年 彼の本に流れる音楽 - 真心がこもっていた - 彼は 何か美しいものを切望していたんだ 
 ナオミが叫んでから 愛はなかった - 1923年から - 今も グレイストーンのどこかで紛失している - 新しいショック療法 - 電気ショック その後 40本のインシュリン注射 
 メトラゾールのせいで 彼女は太った 
 その後 2、3年してから彼女は家に戻ってきたんだ - 私達はそのために 色々準備していた - 私もその日が待ち遠しかった - ママの料理 - ピアノを弾いてくれ - マンダリンに合わせて 歌を唄ってくれる ラングシチューに ロシア民謡「ステンカ・ラージン」 フィンランドと戦った際の共産党員達の詩 - ルイスは借金を抱えていた - 刑務所に入れられてしまうような 金じゃないかと 疑っていたけど - 謎だらけの 資本主義 
 - 玄関から入り 家具を見ていたな 彼女は何も 覚えていない 麻酔のせいもあるよ 円形のレースの敷き布を注意深く見ていた - 食堂のテーブルセットは 売り払われていた -
 マホガニーのテーブル - 20年も愛されていた - がらくた屋に持っていかれた - ピアノはまだあった - ポーの本も - マンダリンも - 弦を張り替える必要があったけど - ほこりをかぶっていた 
 彼女は奥の部屋に行き ベッドに横になり 思いを巡らせていた それか少し眠っていたのかも 隠れていた - 私は彼女の後を追いかけた 一人にしたくなかった - ベッドで彼女の隣で横になった - カーテンは閉じられ 陰気な雰囲気がしていた その日の午後 - ルイスは 表の部屋で待っていた - 夕食用に チキンを茹でるか何かしていたと思う
  「精神病院から帰ってきたからと言って 私のことを怖がらないで - 私はあなたの母さんよ」
かわいそうな愛 さまよい - 怖がり - 私はそこに横になったまま言った 「大好きだよ ナオミ」 - よそよそしく 彼女の腕の横で 泣き出したかった あれは堅苦しい 独り者達の集まりだったのか? - 緊張していた しばらくしてから ナオミは起き上がった 
 彼女が今までに 満ち足りた気持ちになったことがあるのだろうか? そして - 不安げに 窓の前のソファに一人 腰掛けていた - 頬杖をついて - 眉間にしわを寄せ - その日の運命に対して - 爪で歯の間をほじくっていた 口を丸く開け 疑い深そうに - 年取った使い古しの おまんこ女みたいに考えていたんだ - 目にはきらめきが見えなかった - 邪悪な負債が 壁に書かれているよ - まだ払われていない - ニューアークの年寄りおっぱいが近くへやってきた 
 針金を通して 彼女の頭の中で流れる ゴシップラジオを聞いていたのかな 彼女の背中に突き刺されっぱなしになっている 3本の太い棒にコントロールされている やくざが病院中で打っている麻酔 - それが両肩の間で 痛みを与えていた 
 彼女の頭の中では - ルーズベルト大統領は 彼女の問題を知るべきなんだ そう言ってたよ - でも殺すのを怖がっているらしい 今 政府は本当の姿を知られているから - ヒットラーまでさかのぼる - ルイスの家から永久に出て行きたかった 
 ある夜 突然の発作 - 浴室から聞こえる騒音 - 彼女の魂がくたばって行くような - けいれん 赤いゲロが彼女の口から出てきた - 水の様な下痢が爆発したように 後ろから出てきた - 四つ全てが一度に トイレの前で起こった - 彼女の膝の間から 小便が流れていた - 彼女の黒い排泄物で 汚れたタイルに もう少しで吐くところだった - 気は失わなかった -
 40歳 足の静脈が異常にふくらんだ裸 破滅の運命の中 アパートの部屋の外 エレベーターの近くで隠れ 警察をよんでいる 女友達のローズに助けを求めていた -
 一度なんか かみそり それか ヨードチンキだったかな それを手に立てこもった - 泣き声とシンクで咳き込んでいるのが聞こえた ガラスの入った緑色の戸を ルイスが壊した 
 私達は 彼女を引きずり出して 寝室へと連れて行った
 それから 何ヶ月かは静かだった その冬のことだ - 一人で外を歩き ブロードウェイの近く デイリーワーカーを読み - 腕を骨折した 凍った道で転んだんだ -
 宇宙経済の殺人者が作る企てから逃げなくては とまた考え始めた - その後 彼女はブロンクスに住んでいた妹 エラノーおばさんのところに逃げた 
 そこからは また別の ナオミの人生後期 ニューヨークでの話が始まる
 
 エラノーおばさんを通して それとも彼女の働いていた労働者の集い? ほら 郵便物を出したり  そこで彼女にボーイフレンドが出来た - キャンベルのトマトスープを買いに行き - ルイスの送ってくる金を貯金した (
 彼女が見つけたボーイフレンドは医者だった ドクターアイザック 国立船舶組合勤務 - ( ?今は退屈な はげでデブのイタリア人 - 孤児だった - 通りに追い出されたんだ ) - 残酷な 昔の話 -
 だらしなく服を着て ベッドか椅子に腰掛ける 矯正下着を着け 彼女自身と夢うつつ - 「暑いわ - 私は 太ってきている - 病院に行く前は あんなに綺麗な体をしていたのに - ウッドバインにいたときの頃を見るべきだったわ - 」 これは ノーザンミシガン大学の近くに家具つきの部屋を借りていたときの頃
 雑誌にのっている はだかの赤んぼうの写真を見ている ベイビーパウダーの広告 (??)
 「私は綺麗なことだけを考えるようにするわ」
 夏には 窓から入ってくる光に合わせて 首の上で 頭をグルグル回していた 催眠術にかかっていたんだ (??)
 「私があの子のほっぺたさわると 私があの子のほっぺたさわると あの子が私の くちびるさわるの 綺麗なことだけをね 考えるのよ - あの赤んぼは 美しい手を持っているの - 」
 彼女の体が ピクリともしない時がある 気味が悪い インシュリンが頭にまわっているんだ 苦痛を感じる神経が 知らず知らずに体を震わせる (私が小便をする時 ブルッと震えるように) 
 皮膚に表れている 悪い化学反応 - 「そのことを考えちゃ駄目よ あいつはネズミなの」
 ナオミ:「私達は死ぬと 玉ねぎになるわ キャベツの玉にも ニンジンにもなるし かぼちゃや 野菜になる」 私は コロンビア大学から ダウンタウンにやってきたんだ 同意するに決まっている 彼女は聖書を読んで 一日中 美しいことだけを考えているんだ 
「昨日 私は神様に会ったの どんなふうだか知ってる? そうね 午後 私は梯子を登って行ったでしょ 彼は田舎に粗末な小屋を持っていたわ ニューヨークにいるモンローさんみたいにね 林の中に鶏小屋があって 彼は白いひげを生やした 寂しいおじいさんだった」
「彼のために夕食を作ってあげたの 美味しそうな夕食を作ってあげたわ 豆のスープに パンとバター ( ?? )  彼はテーブルについて食べてた 悲しそうだった 」
「私は言ってやったのよ。 見てよ 下で起きている 争いやら 殺し合いやら。 どうしたの?なぜ止めに行かないの?」
「努力したんだよ」って 彼は言うの それが彼に出来る全てだって 疲れているように見えた 長いこと独身なのよ 豆のスープを気に入ってたわ」
 私に夕食を出しながら そう話してくれた 冷たい魚が載った皿 水道の水がしたたる刻みキャベツ 腐ったトマト 一週間古い健康食品 - ビーツとニンジンをすりおろし あちこちにこぼれているジュース 温まっている 絶望的な料理は まだまだ続く 時々吐き気がして食べれなかった 思いやりあふれる彼女の手は マンハッタンと同じく ひどい匂いがした 狂乱 私を喜ばそうとして 火が通りきっていない冷たい魚 骨の辺りは薄い赤色 彼女の匂い ひんぱんに裸で部屋にいた 最初 私はジロジロ見たが そのうち本を開き 彼女を無視した 一度 あの人は私のことを誘っていたと思う 浴室のシンクで 自分自身のことを誘惑してたよ    

  
   

  
  

Saturday, August 18, 2012

Howl

For Carl Solomon



I saw the best minds of my generation destroyed by madness,
starving hysterical naked,
dragging themselves through the negro streets at dawn looking
for an angry fix,


狂ったことが 私の世代の 最良の精神たちを 破壊し 飢えさせ 
病的に興奮させて 裸にしたのを 私は見た 
怒りを鎮めてくれるものを求めて 彼らは 朝方に 己の体を
引きずるようにして 黒人街を歩いた

angelheaded hipsters burning for the ancient heavenly connec-
tion to the starry dynamo in the machinery of night,





Monday, August 13, 2012

Laughing Gas

To Gary Snyder
The red tin begging cup you gave me,
I lost it but its contents are undisturbed.



High on Laughing Gas
I've been here before
the odd vibration of
the same old universe

笑気ガスの上 ふわふわと
ここには以前 来たことあるな
相変わらずの 宇宙より
伝わってくる 奇妙な振動


the nasal whine of the dentist's drill
singing against the nostalgic
piano Muzak in the wall
insistent, familiar, penetrating
the teeth, where've I heard that
asshole jazz before?

鼻歌ヒューヒュー 歯医者のドリル
懐かしい感じ ぶちこわそうと
うたいます
壁の中から 店舗・工場用
ピアノ音楽
くどく しつこく 歯にしみる
どこでこの ぼんくらジャズを
前にも聞いた?


The universe is a void
in which there is a dreamhole
The dream disappears
the hold closes

夢の穴 開くところで
宇宙は 無とす
夢消える
つかまって いたものも消え

It's the instant of going
into or coming out of
existence that is
important - to catch on
to the secret of the magic
box

それはとっさの 
存在 への侵入あるいは 脱出か
魔法の箱を 掴むかどうか


Stepping outside the universe
by means of Nitrous Oxide
anesthetizing mind-consciousness


麻酔薬乗り
この宇宙から 抜け出して
麻酔薬的 
自意識へ



the chiliasm was an impersonal dream -
one of many, being mere dream.

リラックス志向は 
人間味 かけた夢 
多勢に無勢 
夢見てた だけなのに


the sadness of birth
and death, the sadness of
changing from dream to dream,
the constant farewell
of forms ...
     saying ungoodby to what
didn't exist

生まれ 死ぬ悲劇
別の夢から 別の夢へと
かわる悲しさ
くりかえされる さようなら
存在すら しなかった
ものに言う
さようでないなら


The many worlds that don't exist
all which seem real
all joke
all lost cartoon

たくさんの 世界は在らず
本物に 見えるけど
全部 冗談
まぼろし漫画


At the moment the whole goofy-spooky of the Universe WHAT ?!
Joke being slips into nothing like the tail of lizard disappearing
into a crack in the Wall with the final receding eyehole ending
Loony Tunes accompanied by Woody Woodpecker's hindoo maniac
laughter in the skull. Nobody gets hurt. They all disappear. They
were never there. Beginningless perfection.

この瞬間
あほで 不気味な
え?何か言いましたか世界の
冗談は 加速する
それは あいにく
とかげのしっぽが 壁穴に
あるいは 
ルーニー・トゥーンの
おしまいで 
目玉みたいな穴から ウッド ・ペッカーが 
ヒンドゥー教徒みたいに
頭蓋骨ゆらして 気が狂ったように笑う
あのようには 消えない

傷ついた 人々は どこにもいない
皆 消える
もともと誰も いなかった
スタートのない 完成系

That's why Satori's accompanied by laughter
and the Zenmaster rips up the Sutras in fury.

だからこそ 
悟りと 同時に 笑いが生じる
禅師は怒り 経典をひきちぎる

And the pain of this contrariety
The cycles of scream and laughter
faces and asses Christs and Buddhas
each with his own universe dragged
over the snowy mental poles
like a sack mad Santa Clauses
Worst pain in the dentist's chair comes true
novacain also arrives in the cycle
every hap will have its chance
even God will come Once or Twice
Satan will be my personal enemy

この矛盾から 得る痛み
叫びと笑い この循環
知覚し 認識する
キリストと仏様
それぞれの 宇宙が
雪の上に立つ 
両極の 地点に引かれ
それは まさしく
サンタクロースと彼の狂った
袋のごとく
歯医者にとって
あたえることが 可能な痛み
今 実現する
麻酔も 同様
循環する
思いがけずに 起こる全ては
めぐりあわせだ
神ですら
一、二度 降りて来てくれた
悪魔とは 個人的に
敵として 付き合っている



Relax and die -
The process will repeat itself
Be Born ! Be Born!
Back to the same old smiling
dentist -

気を抜いて そして死ぬ
くりかえされる この順序
生まれろ!生まれろ!
にこやかと 笑う歯医者の
顔見える


The Bloomfield police car
with its idiot red light
revolving on its head
balefully at Eternity
gone in an instant
- simultaneous
appearance of Bankrobbers
at the Twentieth Century Bank
The fire engines screaming
toward an old lady's
burned-in-her-bedroom
today apocalypse
tomorrow Mickey Mouse cartoons -

永遠に対し 不吉に クルクルと 
まわるまぬけな 赤いライトを
頭に付けて 瞬間で消えてゆく 
ブルームフィールド・ポリスカー
それと同時に 姿を見せた
20世紀の 銀行襲う 強盗団
老婆に向けて エンジンの炎が叫ぶ
老婆は 自分の 寝室で焼かれ
今日の 世界の終末劇が
明日の ミッキーマウス漫画なり

I'm disgusted! it's unbelievable!
What a funny horrible
dirty joke!

胸がむかつく!信じられない!
なんて いやらしい おもしろい 
ひどい冗談!

The whole universe a shaggy dog story!
with a weird ending that begins again
till you get the point
'It was a dark and gloomy night . . . '
' in every direction in and
out'
' You take the high road
and I'll take the low'
- everybody lost
in Scotlands of mind-consciousness -

この世界 全てが犬の おまんこばなし!
それは 不思議な おしまいで 
終わるお話
君が その 意味分かるまで くりかえされる
" その日は 暗く 陰鬱な夜だった " 
" 全部の方向 入ると出る " 
" 君はあの高い道 俺はこの低いほう "
皆 方向を 見失う
スコットランド人の 気質の中に


Adnoi Echad!
It is not One, but Two,
not two but Infinite -
the Universe be born and die
in endless series in the mind!

主は一つ!
いや 一つではなくて 二つだけど 
いえ 二つでもあらず 永遠- 
宇宙は生まれ そして死ぬ
頭の中で 終わりなき!

Gary Snyder, Jack, Zen thinkers
split open existence
and laugh & Cry -
What's shock? What's measure?
when the Mind's an irrational
traffic light in
Gobi-
follow the blinking lights of contrariety!


ゲイリー・スナイダー 
ジャック 禅のこと 考える人々よ
存在を まっぷたつにして 笑い泣け
何がショックだ 何に範する
頭の中の ゴビ砂漠
そこにある 意味なし信号
点滅する 信号と 矛盾せよ!



What's the use avoiding rats
and horror, hiding from Cops
and dentist's drills?

Somebody will invent
a Buchenwald next door
- an ant's dream's funnier than
ours
- he has more of them
faster and seems
to give less of
a shit -


ネズミらを さける理由は?
何に恐れて 警察と 歯医者のドリル
避けてゆく?

知らぬ間に 誰かが 家のすぐ横に
ブーヘンヴァルト強制収容所を 発明してる
アリの見る夢 我々のより
面白い 量も多いし
速くて それに
見たところ 
あまり文句を 言わないみたいで


O waves of probable
and improbable
Universes  -
Everybody's right

ああ、多分と不多分の波
この世界では 皆 正しい


I'll finish this poem
in my next life.

来世で この詩
終わらせるのだ



・・・・ with eye opening
slowly to perceive
that I be coming out
of a trance -
one look at the lipstick
it's a nurse
in a dentist's office

・・・・ 目が開きつつ
ゆっくりと 理解する トランスしてたな
口紅を 見ている人は
看護婦だ ここは歯医者だ


that first frog
thought  leaping out of
the void

取り囲む 宇宙空間
ジャンプして そこからの脱出を 一番最初に 
考えたカエル


・・・・ a glimpse
out of which the whole
process unfolds this
universe & logically
and symmetrically next
unbuilds it in exact
reverse till you arrive
back at the Nothing
in which one chance
note was originally
struck ・・・

宇宙がひらく 全ての順序が ちらりと見えた
理にかない 左右対称で 正確に巻き戻された
次から 次へ 解体し 無に戻る
そこにあるのは 思いがけない
一度きりの 偶然だった
音が最初に ぶつかった

, the Czardas
of Creation, the first banal chord
establishing Music forever in
its merchanical jukebox
・・・ and the whole
structive unfolds
itself inevitably and
folds back into
Nothing again ・・・

チャルダーシュ ハンガリー民族音楽が
創られた
ありふれた和音の音楽が ジュークボックス機械の中で
名声を打ち立てた ・・・ 構造が 展開していく
それゆえに 無に戻ること さけられず ・・・

- the same man
crossing the street looking
both ways watch out for
the cars -

同じ男が 道路を横に
渡ろうとして 車を気にしつつ 右と左を 確認し

and each time, returning
with a jerk of the face
( ' praps a dental touch )
dictated by the sinking
sensation, Oof ! I've
been hoodwinked -

その度に いやらしい 
(   )
沈むような 感覚が 支配した 顔で振り向く
危ない!また ひっかけられる とこだった

again like
someone in the Circus
defying death, got thrown
into the orchestra -
Note the music blaring
with an indifferent flourish of Triumph
a nightmare Razz
- as the acrobat leaps
out into the void -

同様に サーカスの 人間も
死を定義する 
オーケストラに 放り込まれ
音楽の 調べがてんで バラバラに 高らかに
鳴り響き 悪夢のような あざ笑い
ほら、曲芸師の 跳躍で 飛び越える 宇宙から無へ


Me ! I made that Last Chance
jump off the wire
way high up in the Big Top
long ago. . .
it's happening again!
I wake up dazed. . .

私?私はずっと昔に すでに
空中高く 張られたロープ 
そこからジャンプし 飛び降りた
もう昔・・・
ああ まただ!いつの間に 始まっていた!
ぼうっとして 目が覚めた


it being the dream
of someone in a dentist's
chair in a Universe he
imagines - coming out
of gas -
it's only happening
in the closed universe of
illusion

歯医者の椅子に 座って 彼の考える
森羅万象を 想像している 男のことを
想像していた
薄らいでゆく ガスの影響 
起こってたのは 閉ざされた 宇宙で起きる
誤解だよ




 A nice day in the Universe on Broad Street - sun shines
today as it never shone before and never will again - still-
ness in the blue sky  - the church's gold dome across the park
sending and receiving flashes of light - I feel heart sick to
destroy this all -
 What hope have the children in their passing the
white silent doors of the houses - only the Public Library
knows.

宇宙の中の ブロード通り 良い天気
今日が始めて 日が照って 今後決して 照ること無い 
と言うかのように 照っている - 静止した 青い空 -
- 公園の向こうにある 教会の屋根が 日のきらめきを 受けている -
私がこれらを これら全てを 壊すとなれば 気持ちが悪く なるだろう
静かに閉じた 白いドアから 白いドアへと 押され横切る 乳母車
その中の 子供達 彼らにどんな 希望がある
- 公共図書館だけが それを知っている  




 Premonition in the dentist's chair - mechanical voices over
the radio singing Destination Moon - mysterious sorrow
for the moon of this forgotten universe - humans, singing,
singing - of the moon - for money ? - except it's the imbecilic
canned voice of eternity rocking & rolling in Space making
invisible announcements -
The Doc's agreed to the experiment - novacain, my mouth's
begun to disappear first - like the Cheshire Cat.

歯医者の椅子の上で 虫の知らせを感じた
- 機械的な 声がラジオの 向こうから 「目的地月」と歌っていた-
この忘れられ 宇宙の中で 月に対する 謎めいた 悲しい気持ち
人間が 歌って 月に 歌って - 金のため?- まあそれでも
精神衰弱 缶の声で 永遠の ロックンロールを 歌う声 
宇宙に向けて 目には見えない 声明を 発してる
歯医者は 実験に 同意してくれた
- ノボカイン 私の口 まず消えた - 笑い猫 みたいに まるで

BACK: Endless cycle of conflict happening in nothingness
make it impossible to grasp for the perfection
which does not exist
but is not necessary
so everything is final and occurs over & over again
till we will finally blank out as expected.

またあそこへと 戻ってく : 終わり無く くりかえされる 争いは 
無が完成を つかむのを 不可能と していることに 引き起こされる
完成は 存在しない 
でもそれは 必要じゃない
全ては決定されている そして何度も 何度も くりかえす
全てが無へと 戻るまで
我々が そうなるだろうと 期待するとおり


The First Note of Creation:
the only one there could be if there
weren't nothing but
an idea that there might
not be nothing -

創造の最初の調べは:
たった一つの音だった もしそこが 無だったとして
でもそこがもし 無ではなかった そういう考えは -

Sherman Adams will resign
I'm holding your breath
the shiver run thru my belly
the nurse will be singing I love you
between breaths the Buddhists are right
a tear
siffle in the cheek
the possibility escape
the eye glare thru glasses
Nothing grasped at & ungrasped as its trance thought passes

シャーマンと アダムが再度 署名する
私は固唾を飲む 鳥肌が立つのを感じる
看護婦が アイ ラブ ユー と 歌いだす 
呼吸と 呼吸の 間隔を取る 仏教徒は 正しかった
涙が一つ 伝いだす
可能性 脱出す
眼鏡越し 睨み付ける
何もつかんで つかんでいない
トランス状態で 考えが ただ過ぎて 行くように 


I take my pen in hand
The same old way sings Sinatra
I'm writing to you give me understanding
I pray sings Sinatra
Can I never glimpse the round we have made ?
Write me as soon as able sings Sinatra
O Lord burn me out of existence.

私はペンを 手に握る
昔からの やりかたで 
シナトラを 歌うかごとく
私は君に 理解して いただきたいな
私は祈り シナトラを歌う
私が 我々の作ったこの輪に 気づかないとでも?
何かあるなら 急いで書いてくれ そしたら私は
シナトラを 歌える
ああ神よ 私の存在を 焼き消してください


You've got a long body sings Sinatra
I refuse to breath and return to form
I've seen every moment
in advance before
I've turned my neck a million times

君の長い体は シナトラを 歌うのに むいてるね
私は 息をするのを断る
型へ 戻るのを断る
私は全ての 瞬間を 以前に見たんだ
何万回と 後ろを 見てたけど


& written this note
& been greeter with fire and cheers
I refuse to stop
- thinking -
What Perfection has escaped me ?

そしてこのノートが書ける 火に迎えられ 励まされ
私は 中断するのを断る
- 考え中 -
私から 抜け出した 完成とは どんなものだったのだろう?

An endless cycle of possibilities clashing in Nothing
with each mistake in the writing inevitable from beginning
of time
The doctor's phone number is Pilgrim oooo 
Are you calling me, Nothing ?

可能性と 無がぶつかり合う 際限のない くりかえし
当初から それぞれの 間違いは 避けられないと書かれてた
医者がいるなら 電話番号は 巡礼者-1-0000
もしもし 何か ごようですか 無よ 

The universe be smashed
to smithereens be the oncoming
atomic explosions with
Eisenhower as once President
of place called U.S.
Gregory wrote the Bomb!
Russians dream of Mars &
when the cosmos goes and
all consciousness after the
final explosion of imagination
in the void it won't have
made any difference that it
all both did and did not
happen, whatever it was once
thought to be so real -
it will be - gone.


来たるべき日に 宇宙は小さく こなごなになる
アメリカという国で アイゼンハウアーが 大統領になり
核爆発が 起こるゆえ
ローマ教皇 彼らでさえも ドカーン!と書き留めていた
ロシア人は 火星を夢見 
宇宙の中で 最後の想像力が 爆発した後 秩序は保たれ
何が起きても 起きなくても 何も変わらず 真実だと
考えられて いたものは 皆消える

O that I might die on the spot
I'll have to go back
any  prophecy might have been right
it's all a great Exception

ああ くそ その時 私は死んでいるかもしれない
また戻ってこなくては ある意味で 全ての予言は 正しいかもしれない
全ては " 例外として " だよ

My bus will arrive as foretold
it's the end of another September
war is on the radio ahead
we are all going to the inevitable beauty of doom
a firebox stands sentient before the library
it's hot sun now I'm crazy scribbling
- It began abstract and mindless nowhere
planets of thought have passed
it'll end when it began

私のバスが 予言されたとおりに着いた
今日はまた 別の九月の 終わりの日
ラジオの上で 戦争している
私たちは 皆全て 不可避がゆえに 美しい 宿命へ向かってる
蒸気機関の 火室が 図書館の前に 敏感に立っている
暑すぎて ただ 書きなぐっている
-抽象的になりはじめ それゆえに 地図の上では見つけられない
無意識の 思考する惑星が 通り過ぎゆく
それが終わると また始まる

I want to return to normal
- but there is no changelessness
but in Nirvana
or is there
Ever Rest, Lord? - and what sages
know and sit.
I'm a spy
in Bloomfield on a park bench
- frightened by buses -

普通に戻る ことができたら
-でもそうすると 普遍であれない
でも解脱 それともそんな
解放なんて あるのですか 神よ?
賢人達は 何を知り 何に腰掛けているのだろう
私は ブルームフィールド公園の
ベンチに座っているスパイ
- バスに対し 臆病 -


What's that bee doing hanging round my shoe ? my borrowed
and inevitable shoe ?
A vast red truck moving with boxes of dead television sets in
the back

ああもうハチが。こいつら人の靴の周りで何してるんだ
借り物で避けられぬ靴のまわりで
巨大な赤い トラックが 荷台に死んだ テレビセットを載せ走る


American flag waving over the library

アメリカ国旗 図書館の上で揺れ

On the bus I sit by a negress

バスの中 黒人の女の子の隣に座る

This is an explosion

これだって 行動の 突発だよ



Back in the same old black hole
where Possibility closes the last door
and the Great void remains
.... a glass
in the dust reflecting the sun,
fragment of a bottle
that never knew it existed

昔なつかし 黒い穴へと
可能性が ぴしゃりと閉じる 最終扉
そして偉大な無が留まる

太陽が ほこりの中の ガラス一欠けらを
照らし出す 
ビンの残骸 ここに存在していたことは 知られなくても

.... under a tree
that sleeps all winter
till it grows its eyes
in May heat
and flowers upward with a thousand
green sensations
dies, and forgets itself in Snow

冬の間中 寝り続ける木の下で
5月の熱で 目に見えるほど 育つまで
花々は 何千もの 緑色の大騒ぎの中
上を向く
死に そして雪の中 己すら 忘れ去る

... Phantom in Phantom

幻の中の幻

If we didn't exit, God
would have to create this
to leave no room for complaint
by any of the birds & bees
who might have missed their
chance ( to be )

もし仮に 我々が ここに存在しなければ
存在するチャンスを逃した 鳥や蜂 彼らが文句をいう場所を 
神は造らなかった

Fate tells a big lie.

予言は大きな嘘を言うんだよ

.... And the big kind Dreamer
is on the nod again
God sleeps!
He's in for a big surprise
one of his dreams is going to come true
He'll get the answer too
He'll get the answer too

夢を見る大きな種族は うとうとと居眠りしている
神も眠るよ!
彼もまた驚いている 彼の見る一つの夢が 叶おうと
しているからね
彼さえも 答えを得る
彼さえも 答えを得るんだ


Just a flash in the cosmic pan
- just an instant when there
might have been a light
had there been any pan
to reflect it -

- we can lie on the bed and imagine
ourselves away -

- 我々はベッドの上に横たわり
己から離脱することを 想像できる -

I'm afraid to stop breathing -
first the pain in the
body
suffocation, then
the Death.

私は息を止めているのが 恐ろしくなってきた
最初 体が痛みを感じ そして死ぬ






The pain of gas flowing into the eye
the crooked tooth-drills hanging like gallows
on a miniature Jupiter
Thru the open window, spring frozen
in the young tree
the repeated bong of the doorbell
opening elsewhere
I've come back to the same medicine
cabinet in the universe - Bong,
I know I'm more real than the dentist !
a serious embarrassment, having grasped to one Self
though admittedly I'd seen it disappear
over and over

漂うガスで目が痛む 小型模型の木星が ぶら下がるように
先の曲がった歯医者のドリルもぶら下がっている



繰り返される 低い太鼓の音 誰かがドアを どこかで誰かのために
開かれるたび
私は 宇宙の中の 同じ医療キャビネットに 戻ってこれた - ゴーン
知っているんだ 歯医者よりも 私は真実だ!
本当に 恥ずかしい 自分自身を認めること
それでもそれが どんどん消えてゆくのは 疑いも無く目に出来る


TRACKLESS TRANSIT CORPORATION

runs a bus thru Bloomfield
.... blossoming
in the bottom of an unborn daisy
it will vanish into the Whist-not

無軌道交通株式会社

ブルームフィールドを横切るバスを走らせている
・・・開花している 生まれなかった デイジーの根元で






History will keep repeating
itself forever like the woman
in the image on the Dutch Cleaner box

歴史は何度も繰り返される
まるでほら オランダ製洗剤の箱に描かれた 女のように

A way out of the mirror
was found by the image
that realized its existence
was only ....
a stranger completely like myself

鏡の中に映る出口は まるで観念
存在するは 完全な自分である 一人の他人

A way out for ever ! has not been found
to enter the ground whence the images
rise, and repeat themselves

さらに出口を!まだ地面へと入るのは 見つかってない
イメージが立ち上がる場所 そして くり返されるところ

The sadness is, that every leaf
has fallen before -

悲しいのは 葉が全て その前に落ちること 

At my feet an ant crawling
in the broken asphalt -
and this exact white lollypop stick
& twig of branch
lain next to that soggy match
near those few grassblades ....
and I've sat here and took this note
before and tried to remember -
and now I do - remember what
I'm writing as I write it down
I know when I'm going to stop
I know when I'm forgetting and
know when I
take jump and change -
Impossible
to do anything but right now in all
the universe at once -
which Art does, and
the Insight of Laughing Gas ?

足元で アリが一匹 ひび割れたアスファルトに よじのぼる
そしてこの繊細な白い ロリポップキャンディーの棒
木の小枝 びしょぬれのマッチの隣に横たわる
私はここに腰掛けて このノートを書いている
覚えておこうと 今はまだ覚えている
書きながら 何を書こうと覚えている 
いつ終わるか知っている いつ忘れるか知っている
いつ
ジャンプして 変わるか 
知っている どうすれば
いいのか 今は 
でも この瞬間は 宇宙が一つになっていく 
アートがそれを行う それとも 笑気ガスがしてくれるかな?

Ha Ha Ha Ha Ha
and the monk laughs
at the moon -
and everybody 10 miles round
in all direction wonders
why - he's just reminding
them - of what - of
the moon, the old dumb moon
of million lives.

ハハハハハ!
そして僧侶が 月に向かって笑う
10マイル四方の人々は皆 首をかしげる
彼はただ 伝えたいんだよ
月のことを
古臭くて まぬけな月が 何万回と 生きたことを


New York, Fall 1958











Tuesday, August 7, 2012

Transcription of Organ Music



The flower in the glass peanut bottle formerly in the kitchen
crooked to take a place in the light,

ひのさすとこに
ばしょをとろうと
まがってる
はながある

もともとは
ピーナツが
はいってた
ビンにかざられ
キッチンにある


the closet door opened, because I used ti before, it kindly stayed
open waiting for me, its owner.

なんどのドアが
つかってそのまま
あいている
いまももちぬし
わたしをまって
やさしげに
あいている

I began to feel my misery in pallet on floor, listening to music,
my misery, that's why I want to sing.

ゆかのうえには
そまつなねどこ
そこにかんじる
みじめなじぶん
おんがくを
ききながら
みじめなじぶん
ああうたを
うたいたい

The room closed down on me, I expected the presence of the
Creator, I saw my gray painted walls and ceiling, they
contained my room, they contained me
as the sky contained my garden,



へやはわたしを
おいだそうとしている
つくったひとの
いとをかんじる
はいいろのゆか
そしててんじょう
それがわたしの
へやのまわりに
それがわたしの
まわりにまるで
そらがわたしの
にわのまわりに
あるように

I opened my door
The rambler vine climbed up the cottage post, the leaves
in the night still where the day had placed them , the animal
heads of the flowers where they had arisen
to think at the sun

ドアをあける
つるバラが
こやのふりした
ゆうびんうけに
のぼってる
よるのあいだは
ひるにうごいた
ところから
うごかない
はなのなか
どうぶつの
あたまのぶぶん
たいように
ついてかんがえる
ようにできた
ばしょがある


Can I bring back the words? Will thought of transcrip-
tion haze my mental open eye ?

おなじことばを
くりかえし
つかってもいい?
しこうのてんしゃは
ひらかれた
せいしんの
めをくもらせて
しまうかな?


The kindly search for growth, the gracious desire to exist
of the flowers, my near ecstasy at existing among them

やさしげに
のびれるばしょを
さがしてる
はなのため
ていねいなねがい
こうこつちかく
わたしはそれに
かこまれる

The privilege to witness my existence - you too must
seek the sun . . .

わたしのそんざい
きみはみた
とっけんとして
きみもたいようを
さがしなよ


  My books piles up before me for my use
  waiting in space where I placed them, they haven't disappeared,
time's left its remnants and qualities for me to use - my
words piled up, my texts, my manuscripts, my loves.

わたしのほんが
つまれてる
つかわれるのを
まっている
わたしがおいた
ばしょでそのまま
まっている
どこにもいかず

ときはさる
いまはもう
のこりきれ
でもつかうには
じょうとうだ
わたしのことば
つまれてる
ぶんしょうも
げんこうも
さまざまな
わたしのあいも

  I had moment of clarity, saw the feeling in the heart of
things, walked out to the garden crying.

いっしゅんこころが
とてもしずかに
なるのをかんじた
それらにたいす
わたしのこころ
みえたから
そこをはなれて
にわにでてなく

 Saw the red blossoms in the nigt light, sun's gone, they
had all grown, in a moment, and were waiting stopped in time
for the day sun to come and give them . . .

よるのあかりで
みるあかいはな
たいようは
しずんでる
それらはすっかり
そだってる
いっしゅんで

でもいまは
ときがとまった
ようにしずかに
ひがまたのぼり
それにまた
あたえるのを
まっている


  Flowers which a in a dream at sunset I watered faithfully
not knowing how much I loved them.

あかいはな
まるでゆうひの
なかのゆめ
まじめにみずを
あげながら
どんなにそれを
あいしていたか
きづかずに

  I am so lonely in my glory - except they too out there - I
looked up - those red bush blossoms beckoning and peering
in the window waiting in blind love, their leaves too have hope
and are upturned top flat to the sky to receive - all creation
open to receive - the flat earth itself.

じぶんじしんの
めいよのなかで
わたしはとても
こどくになった
- まあそれは
きょくたんだと
いうことぬきに
してみても -

みあげると
あかいはなばな
それはただ
もうもくの
あいのなか
まっている
こちらにこいと
あいずしまどを
のぞきこむ
はもおなじ
きぼうをもち
ひらたいめんを
そらにむけ
うけとることを
まっている
いきものはみな
うけとるために
ひらかれている
すいへいな
ちきゅうそれさえ



 The music descends, as does the tall bending stalk of the
heavy blossom, because it has to, to stay alive, to continue to
the last drop of joy.
The world knows the love that's in its breast as in the
flower, the suffering lonely world.
The Father is merciful.

おんがくは
かこうする
おもいはなつけ
たかくのび
かたむいた
くきのように

そうである
べきだから
いのちえるために
よろこびの
しずくいちばん
さいごまで
つづけるために

せかいはあいが
むねのなか
そこにあること
しっている

それはおなじく
はなのなかにも
あることを
しっている

くるしみずきで
こどくのせかい
それなのに
しっている

かみさまは
なさけぶかいよ



  The light socket is crudely attached to the ceiling, after
the house was built, to receive a plug which sticks in it alright,
and serves my phonograph now . . .

てきとうに
てんじょうについた
でんきコンセント
このいえが
たったあと
いりようになり
そこにある

レコードプレーヤーを
うごかしている


The closet door is open for me, where I left it, since I left
it open, it has graciously stayed open.
The kitchen has no door, the hole there will admit me
should I wish to enter the kitchen.

なんどのドアが
あいている
わたしがあけて
そのままだから

わたしがあけた
ままにしてから
じひぶかく
あきつづけている

キッチンには
ドアがない
そこのくぼみは
わたしがキッチン
はいるべきかと
かんがえたとき
こころよく
うけいれる

I remember when I first got laid, H.P. graciously took
my cherry, I sat on the docks of Provincetown, age 23, joyful,
elevated in hope with Father, the door to the womb was
open to admit me if I wished to enter.

さいしょにやった
ときのこと
おぼえてる
H・Pが
ていちょうに
わたしのどうてい
もっていった

プロヴィンスタウン
みなとにすわり
にじゅうさんさいで
たのしげで
かみへのきぼう
そのなかで
こうようしていた

せいちょうの
ドアはわたしが
はいれるように
ひらかれていた
わたしがそれを
きぼうした
ときのため


  There are unusual electricity plugs all over my house if I
ever need them..
The kitchen window is open, to admit air . . .
The telephone - sad to relate - sit on the floor - I haven't
the money to get it connected -

いえじゅうにある
つかわない
でんきコンセント
もしいつか
それをひつようと
するときのため

キッチンのまどは
くうきをいれる
ためあいている

でんわきは
- かんけいを
してしまうのは
かなしいが -
ゆかにある
つなげるかねを
まだもってない


I want to people to bow as they see me and say he is gifted
with poetry, he has seen the presence of the Creator.
And the Creator gave me a shot of his presence to gratify
my wish, so as not to cheat me of my yearning for him.


わたしはひとが
わたしをみたら
えしゃくして
かれはしの
てんさいだよと
いってほしい

かれはしゅの
そんざいを
みたんだよ

そしてしゅは
じぶんのうつった
しゃしんをいちまい
わたしにくれた
わたしのことを
よろこばそうと
わたしがかれを
したうきもちに
せいじつで
あるために


Berkeley, September 8, 1955

バークリー
1955ねん
9がつ8にち





Monday, August 6, 2012

In the Baggage room at Greyhound

グレイハウンド バスターミナル荷物置き場






In the depths fo the Greyhound Terminal

格安長距離バスターミナル深淵で

sitting dumbly on a baggage truck looking at the sky waiting
for the Los Angels Express to depart

ぼんやりと 荷物レーンに腰掛けて
空を見て待つ ロサンジェルス行き出発時刻

worrying about eternity over the Post Office roof in the night-
time red downtown heaven,


郵便局屋根を越え 赤い天国みたいな夜の街が恋しく
永遠について心配す

starting through my eyeglasses I realized shuddering these
thoughts were not eternity, nor the poverty of our lives,
irritable baggage clerks,

メガネ越しよく見ると ぞっと気がつく こういう思考は永遠ではない
私たちみな 生活の貧しさも
怒りっぽい 荷物受付 それですら


nor the millions of weeping relatives surrounding the buses
waving goodbye,

一万人の親戚たちが バスのまわりで さよならと
泣きながら 手をふってるのも

nor other millions of the poor rushing around from city to city
to see their loved ones,

また別の 一万人の 金の無い人たちが 街から街へ
いそぎつつ 彼らの愛す 人たちに 会っているのも 

nor an indian dead with fright talking to a huge cop by the
Coke machine,

飛行機事故で 死んだ一人の インディアンが コーラ自動販売機の横に立ち
大きな体の 警察官と しゃべってるのも 

nor this trembling old lady with a cane taking the last trip of
her life

年取ったレディが ふるえつつ 杖をつき 人生最後の
旅を行っているのも違う

nor the red-capped cynical porter collecting his quarters and
smiling over the smashed baggage,

皮肉そうなポーターが ぺちゃんこの荷物の上で 25セント数え
赤帽子の下 微笑んでいるのもだ

nor me looking around at the horrible dream,

まったくの ひどい夢を見まわす 私もだ

nor mustached negro Operating Clerk named Spade, dealing
out with his marvelous long hand the fate of thousands
of express packages,

口ひげ生えた黒人の 操作係 スペードが 素晴らしく長い手で
何千もの速達便の 運命を操作してるのも 

nor fairy Sam in the basement limping from leaden trunk to
trunk,

妖精サムが地下室で 荷物入れから荷物入れへと びっこひきつつ
歩くのも

nor Joe at the counter with his nervous breakdown smiling
cowardly at the customer

カウンタージョーがおどおどと 不安で気絶しそうな笑みを
見せているのも

nor the grayish-green whale's stomach interior loft where we
keep the baggage in hideous racks,

中2階 灰色がかった みどりくじらの胃の中に いる気になれる荷物部屋
そこにある 絶望的な 棚でさえ


hundreds of suitcases full of tragedy rocking back and forth
waiting to be opened,


ありとあらゆる悲劇を詰めた スーツケース 100以上が ゆらゆら揺れて 
開けられるのを 待ちのぞんでる それさえも


nor the baggage that's lost, nor damaged handles, nameplates
vanished, busted wires & broken ropes, whole trunks
exploding on the concrete floor

消えた荷物も ハンドルが 取れた荷物 名札が薄く なっているのも 
金具部分が 曲がった荷物 くぐった紐が 切れているのも 
コンクリートの 床の上 中身が全部 ぶちまかれ
荷物も全て

nor seabags emptied into the night in the final warehouse.

夜にまぎれて 最後に通った 荷物保管所で 中身を全部
捨てられた 海用バッグも そうじゃない 





Yet Spade reminded me of Angel, unloading a bus,

でもスペードは 何か天使を 思わせる
まだ何も のってない バス

dressed in blue overalls black face official Angel's workman cap,

青色のオーバーオール 黒い顔 公式天使 労働者用帽子 

pushing with his belly a huge tin horse piled high with black
baggage,

特大のブリキの馬を 腹でささえて 黒い荷物と一緒に高く
積み上げている

looking up as he passed the yellow light bulb of the loft
and holding high on his arm an iron shepherd's crook.

中2階 荷物部屋 彼が黄色い 電球下を 横切った
鉄製の羊飼いのつえを 腕で高く かかえあげている





It was the racks, I realized, sitting myself on top of them now
as is my wont at lunchtime to rest my tired foot,

これこそ棚だ と気がつく 昼食を食べる間に 疲れた足を休ませようと
そこに座って

it was the racks, great wooden shelves and stanchions posts and
beams assembled floor to roof jumbled with baggage,

これこそ棚だ 木製の大きな棚だ 支柱になる柱 それと横材 
床から天井近くまで ごちゃごちゃと 荷物が入るようになってる

- the Japanese white metal postwar trunk gaudily flowered &
headed for Fort Bragg,

- 戦前の 日本製 白い鉄製トランクが ほら駐屯地で目立つよう
花のステッカーで 飾りたてられている

one Mexican green paper package in purple rope adorned with
names for Nogales,

緑の紙で包まれた メキシコからの 荷物いち 紫のロープで巻かれ
ノガレスと 名が添えてある 

hundreds of radiators all at once for Eureka,

100以上の放熱機器が発見のために一つになれば

crated of Hawaiian underwear,

ハワイ製下着の入った木枠箱

rolls of posters scattered over the Peninsula, nuts to Sacra-
mento,

丸まったポスターは、ペニンシュラに撒かれるために
サクラメントにピーナッツ

one human eye for Napa,

人間の目玉を一つ ナパのため

an aluminum box of human blood for Stockton

ストックトンへ 人間の血を アルミ箱一つ分 

and a little red package of teeth for Calistoga-

小さな赤い 箱詰めの歯は カリストへ

it was the racks and these on the racks I saw naked in electric
light the night before I quit,

これこそ棚だ 自由になれる前に夜 電気の下で 荷物の中が透け見えた 

the racks were created to hang our possessions, to keep us
together, a temporary shift in space,

その棚は 皆の荷物を のせておくため 作られた
ばらばらにならないように 広い宇宙の 一時的 仮場所で

God's only way of building the rickety structure of Time,

神のみぞ 創るがたがた 構造時間 

to hold the bags to send on the roads, to carry our luggage
from place to place

バッグをつかみ 道に出て 行くために
スーツケースを またべつの場所からそして べつの場所へと運べるように

looking for a bus to ride us back home to Eternity where the
heart was left and farewell tears began

永遠という 名の家に 戻るため バス探し 
心をあとに さよならと 涙がこぼれ 流れ出す



A swarm of baggage sitting by the counter as the transcontin-
ental bus pulls in.

荷物の群れが 大陸横断バスがくる 場所に座ってる

The clock registering 12:15 A.M, May 9, 1956, the second hand
moving forward, red.

時計は 夜の12時15分 1959年5月9日 中古でも進んでる 色は赤

Getting ready to load my last bus. - Farewell, Walnut Creek
Richmond Vallejo Portland Pacific Highway

道に出る最後のバスだ - ポートランド州 パシフィック高速道路、
バレジョー、リッチモンド市 ウォールナッツ川 さようなら 

Fleet-footed Quicksilver, God of transience.

さまよえる足艦隊よ 短期ステイの神達よ

One last package sits lone at midnight sticking up out of the
Coast rack high as the dusty fluorescent light.

最後の荷物 埃かぶった 蛍光灯の 明かりがそそぐ 
棚ビーチ 出てきたばかり という感じに 孤独に座る

The wage they pay us is too low to live on. Tragedy reduced
to numbers.

賃金は低すぎる 悲しみが ただの数字に 縮小される

This for the poor shepherds. I am a communist.

これはあわれな羊飼いのため書く 私は共産主義だから 

Farewell ye Greyhound where I suffered so much, hurt my
knee and scraped my hand and built my pectoral muscles
big as vagina.

さよなら 格安バス つらい目に あわせてくれて
ひざ痛め 手をすって 女のあそこぐらいの筋肉 胸につき 


May 9, 1956

1956年5月9日





Thursday, August 2, 2012

The Lion for Real

本当のためのライオン


        ' Soyez muette pour moi, Idol contemplative...' 

' 静かにしてくれますか?神をかたどった偶像を瞑想しているところなのです。' 



I came home and found a lion in my room.

家帰り、居間で見つけた、ライオン一匹。

Rushed out on the fire-escape screaming Lion ! Lion !

慌てて、非常階段に走り、乗り出し叫ぶ、ライオン!ライオン!

Two stenographers pulled their brunette hair and banged the
window shut

二人のタイピストが、自分達の濃い茶色い髪をひっぱって、
窓しめた。ピシャッ。

I hurried hoe to Paterson and stayed two days.

私はパターソンの実家に帰り、二日そこにいました。



Called up my old Reichian analyst

古い知り合いのライヒセラピー分析医に相談してみる

who'd kicked me out of therapy for smoking marijuana

彼からは、マリファナ断煙セラピーを追い出された思い出あり

' It's happened ' I panted ' There's a Lion in my room '

「本当に」 息を切らしてハアハア 「 ライオンが僕の部屋にね、」

' I'm afraid any discussion would have no value ' he hung up.

「これ以上の会話は意味がないよ。」電話は切られた



I went to my old boyfriend we got drunk with his girlfriend

かつての恋人のとこ行って、彼の彼女も含めて酔った。

I kissed him and announced I had a lion with a mad gleam in
my eye

彼にキスして、きちがいのように目を光らせて言った。
「俺はライオンを持ってるんだ」

We wound up fighting on the floor I bit his eyebrow & he
kicked me out

喧嘩になって、床の上を転がり、奴の眉毛をかじった。そして。
追い出される

I end up masturbation in his jeep parked in the street moaning
' Lion '

いつの間にやら、道に停めてあった奴のジープでマスターベーションしてて、うめいた。
「ライオン」



Found Joey my novelist friend and roared at him ' Lion ! '

小説家仲間のジョーイを見つけて、吠えた。「ライオン!」

He looked at me interested and read me his spontaneous ignu
high poetries

彼は興味深そうに私を見つめ、そして彼の無意識の自我から沸き起こる、上等の詩を読んでくれた。

I listened for lions all I heard was elephant Tiglon Hippogryph
Unicorn Ants

私は、ライオンのことを聞きたくて聞いていたけど、聞けたのは、ゾウとらいおんワシ馬ユニコン蟻のことだけだった。

But figured he really understood me when we made it in Ignaz
Wisdom's bathroom

でも、彼とイグナスの知恵風呂でやった時には、彼は私のことを理解してくれているんだなあって思った。

But next day he sent me a leaf from his smokey Mountain
retreat

次の日、彼は潜伏場所の煙山から葉っぱを送ってくれた。


' I love you little Bo-Bo with your delicate golden lions

「愛してるよ、小さなブーブー、君の繊細な黄金のライオンたちも含め

But there being no Self and No Bars therefore the Zoo of your
dear Father hath no Lion

でも、そこには自我もバーもない、それゆえ、偉大なる創造主(君)の動物園に
ライオンはいない

You said your mother was mad don't expect me to produce the
Monster for your Bridegroom. '

君のお母さんって気が狂ってたんだよね。 
君の花婿用にって、怪物をつくりあげるような役を引き受けると期待しないでほしい。」



Confused dazed and exalted bethought me of real lion starved
in his stink in Harlem

混乱して、ぼんやりして、尊い感じになった考えの中で、本物のライオンはハーレムで、自分のウンチにまみれて、お腹空かしているんだろうなと思った。

Opened the door the room was filled with the bomb blast of his anger

ドアを開けたら、そこはあいつの怒りの爆弾で一杯になっていた。

He roaring hungrily at the plaster walls but nobody could hear
him outside thru the window

あいつは、しっくいの壁に向かって、飢えを轟音で吠えていたけど、
外の人には窓のせいで聞こえていなかった。

My eye caught apartment building the edge of the red neighbor apartment building
standing in deafening stillness

窓の外、耳をつんざくような沈黙の中に立つ、赤いアパートの建物の角に目を奪われた。

We gazed at each other his implacable yellow eye in the red
halo of fur

私達はお互いを凝視する。なだめられない彼の黄色い目。赤い毛皮は後光のようだ。

Waxed rheumy on my own but he stopped roaring and bared
a fang greeting.

あふれ出る鼻水は私のもの。だけど彼は、吠えるのを止めてくれ、歯をむき出す挨拶もしてくれた。

I turned my back and cooked broccoli for supper on an iron
gas stove

私は背を向け、鉄製ガスコンロで夕食のためのブロッコリーをゆでた。

boilt water and took a hot bath in the old tub under the sink
board.

お湯が沸き、流し台の下の古いバスタブで、熱い風呂はいる。


He didn't eat me, tho I regretted him starving in my presence.

彼は私を食べなかった。それでも私には、私がいながら彼が腹をへらしていたということが悔やまれる。

Next week he wasted away a sick rug full of bones wheaten
hair falling out.

次の週、彼は病気のじゅうたんみたいになって、骨が浮き出、小麦色の
毛を落とした。


enraged and reddening eye as he lay aching huge hairy head
on his paws.

怒りで充血した目を、痛みが続く頭と一緒に、前足に載せていた。

by the egg-crate bookcase filled up with thin volumes of Plato,
& Buddha.

薄い本シリーズのプラトンと仏陀の本が詰まった、卵パック本棚の
横で。



Sat by his side every night averting my eyes from his hungry
motheaten face

毎晩、彼のそばに座り、自分の目を彼の飢えた、母親だって喰ってやるぜ顔からそらした。

stopped eating myself he got weaker and roared at night while
I had nightmares

自分自身も食べることを止め、それでも彼はどんどん弱っていき、
彼のうなり声で悪夢を何度も見た。

Eaten by lion in bookcase on Cosmic Campus, a lion myself
starved by professor Kandisky, dying in a lion's flophouse
circus,

星占い大学の本棚のライオンに喰われ、私自身のライオンは
カンディンスキー教授によって飢え、ライオンのゲストハウスサーカスの中で
死にかけていた。

I woke up mornings the lion still added dying on the floor -
' Terrible Presence! ' I cried ' Eat me or die! '

朝、目を覚ますと、ライオンはそれでもさらに死を重ねつつ、床に横たわっている。
「もういい、ひどすぎる!」 私は泣いた 「私を喰うんだ、そうでなければ死んでしまえ!」




It got up that afternoon - walked to the door with its paw on
the wall to steady its trembling body Let out a soul rending creak from the bottomless roof of his mouth

それはその日の午後に立ち上がった。- 自分自身の足でドアまで。
壁にもたれ掛かり、崩れ落ちそうな体を支えながら。魂が裂ける、きしみ音を、底なし屋根の口から
吐き出しながら。


thundering from my floor to heaven heavier than volcano at
night in Mexico

私の床から天国までの雷鳴がとどろく。メキシコの夜の火山よりも激しく。

Pushed the door open and said in a gravelly voice ' Not this
time Baby- but I will be back again. '

ドアを押し開け、砂利を噛むような声で言った。
「今じゃない、ベイビー。でも、また来るよ。」



Lion that eats my mind now for a decade knowing only your
hunger

私の心を喰ったライオンは、今はもう10年以上、君の飢えだけを知っている。

Not the bliss of your satisfaction O roar of the Universe how
am I chosen

君を満足させて喜ばすためじゃない、ああ、この世のうなり声よ、私を選んでくれて

In this life I have heard your promise I am ready to die I have
served

この人生で、私はあなたの約束を聞きました、私は死ねる、私は役に立った。

Your starved and ancient Presence O Lord I wait in my room
at your Mercy.

あなたの飢えよ、古代からの現代よ、おお神よ、私は部屋であなたの慈悲をお待ちします。

Paris, March 1958 

パリで、1958年5月